インタビュー記事 2017.4.21

映画監督になるには、どうしたらいいの?異色の経歴を持つ、安田淳一監督に聞いてみた。

映画制作を商売にする事が目標

「イベント用に作ったショートムービーを、1年かけて練り直して、30分ほど付け足して映画に作り直したりもしました」



『SECRET PLAN』(37分)

『拳銃と目玉焼』『ごはん』主演の、沙倉ゆうのが出演し、2007年の横浜映像天国で審査員賞と観客賞を受賞した。

「横浜の映画祭で賞を取ってる!」

「 2007年ですね。長編映画を撮る前の習作という位置づけです。僕は、目標を明確にして動き始めることが大事だと思っています。最初に話した『どんなスタンスで映画を撮るか』ですね。僕の場合は、自主制作だけどシネコンで公開すると決めました。お金を頂く商業映画を目標にしました

「おお…!自主制作の映画って、シネコンで上映してるイメージはあまりないですよね」

「確かにそうですね。 僕自身は、映画を作ることだけが目的ではなく、自主映画を劇場で上映し、製作費を回収してまた映画を製作するサイクルの確立を目指しています。どこまで出来るかわかりませんが、ロマンのある実験だと思って取り組んでいます」

「ロマン…!それは、自主制作関係なく、全映画監督の夢ですよね…!」

「 僕は、映画を製作して、上映で費用の回収ができることを、サイクルとして確立したい。その場合『売り物になる映画』は最低必要条件なんです」

「と、いうのは?」

「劇場で公開して、お客さんにお金を払って見てもらうこと。これは商売です。考えてみて下さい。ラーメン屋を始めるには、場所を借りて、機材を入れて、食材を仕入れて、人を雇って、そこでやっと一杯750円の値段をつけられる。なのに自主映画は、役者やスタッフを最低限の予算に抑えて…。それで、劇場公開できないかなぁ…なんて、おかしいと思いませんか?思うでしょ?」

「急に語気が荒くなった」

「ラーメン屋がスタッフをタダで雇って、無料の食材で作って、『はい一杯750円です!』やったらおかしいでしょう?仲間内で作って上映会や映画祭がゴールの映画なら、低予算は理解できるし、むしろ応援したいです。でも劇場で1800円を頂く映画に、必要最低限のプロやスタッフを雇わないのは、いかがなものでしょうか?」

「映画でも商売魂に火が付いたんですね…!ちなみに、映画を撮るのは色んな要素でお金がかかりますよね。機材とか、スタッフとか、役者さんとか。安田さんは、どこに一番お金をかけていますか?やっぱり最新の機材とか?」

「僕は、自腹で制作する映像では、機材にはほとんどお金はかけていません。制作会社としてなら、業務用のカメラは14台所有しています。ですが、少人数で運用する現場に大きなカメラは不要です。今の時代は、一般の人でも簡単に買えるカメラで、映画のようにきれいな画質で映像が撮れます。例えばPanasonicのGH4とか。最新作『ごはん』は中古で10万円くらいで買える、PanasonicのAG-AF105というカメラで撮りました」

「えー、そんなに安いカメラなんですか!」



『ごはん』のワンシーン。夕日が美しい。

「 例えば、映画制作費の予算が100万円だとすれば、なんか勘違いした人達はカメラや機材に80万円かけてしまいます。だけど、僕だったら、20万円で中古のカメラを買って、10万円で照明をそろえて、あとは全部、俳優さんとスタッフさんのお給料と場所代に回します。カメラや機材にお金をかけるのなら、レンズの前にあるものにお金をかけるべきだと思いますね~」

「シネコンで上映されている大作映画と戦おうと思ったら、カメラにお金かけたほうがいいって普通は思っちゃいますもんね」

「 実のところ、プロもアマも、使うカメラに画質の差は昔ほど顕著な差はありません。かけるべきところにお金をかけるかで、クオリティに差が出ると思います 」

「なるほどなあ。ぶっちゃけなんですけど、映画を撮りたかったら、どれくらいお金を用意したらいいと思いますか?1万円でもいけます?」

「1万円なら、スマホで友達と見る作品なら、撮れると思います!僕は、商業映画を目指しているので、製作費だけで最低でも300万円は必要ですね。僕の場合、自分の人件費は計上せず、機材一式は所有しているので、それも踏まえて300万円です」

「ひゃー!300万!安田さんって、ひょっとしたら富豪…?『お金を持っているやつしか映画は撮れねえ!』というオチなのでは…?」

「いやいや、富豪だったら、1000万くらいかけて撮ります。僕が今当たっている壁は『映画を作る才能が不足している』というのは置いといて(笑)、ほとんどの場合は、お金で解決できます。上映劇場を、配給会社を使って増やすとか。僕は自分で稼いだお金をやりくりして、製作費を抽出していますよ!リスクを背負えば意識が変わります。これだけ自腹切ってるんだから、絶対にいい作品をつくらなければ!と追い詰められます!」

「精神が強い…。見習いたいな…」

「ちなみに、今日話したことは、あくまでも、商業的な映画を目標とする僕の場合の話です!映画監督には色々な経歴の人がいるから、他の人にも話を聞いてみても、面白いとおもいますよ」

「確かに、安田さんは特殊かもしれないですね。だからこそ、新鮮なお話でした!色んな考えがあるんだなあ」


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