イベントレポート 2018.7.26

高校閉校を追ったドキュメンタリー映画『池北学校やめるってよ』上映!

7月22日十三シアターセブンで 下井健次監督のドキュメンタリー映画「池北学校やめるってよ」が公開された。

内容は池田市の池田北高校が2018年3月に閉校するまでの一年間を見つめた作品。

現状では1日のみの公開となり、この日、下井健次監督の舞台挨拶も行われた。

映画制作までの道のり

監督によると、ある日、関係者から「池田北高校が閉校するから記録映像を撮って」とメッセージがあったらしい。

下井監督はフリーランスのディレクターでもあるので、これは一年間食っていけるぞと、ひょいひょいと話に乗ったという。

しかしながら関係者から「閉校する学校なので府からの制作予算は多分出ないんじゃないか」と下井監督にとっては背筋が凍るような一言が…

当然、そんな状況下でカメラマン、音声さんを雇えるべくもなく、監督自らがカメラを回す事に。

そして思いも寄らなかった課題が次々に表面化・・・

撮影ができるのは、全生徒約90人のうち半数、(昨今の諸事情か・・ほとんどが顔だしNG)更に撮影できる時間は給食の昼休み、放課後、各学校行事のみという限定された環境。

さらに打合せの場で、(変に盛り上がってしまい)どうせ作るなら従来よくある3年間を30分くらいにまとめたテンプレート的な”卒業DVD”ではなく、何回見てもどこかに新しい発見がある、今までどこの高校もやったことが無い「エンタメ・ドキュメンタリー映画」を作ろうと言う風に決まったこと。

下井監督は後日、述懐する。その時、頭をよぎったのが、先日惜しくもこの世を去った 名レスラー、マサ斎藤の言葉“GO FOR BLOCK”当たって砕けろ!だったと。

池田北高校の先生・生徒たち

この映画のキーマンで劇中、ただならぬ存在感を見せるのが若林智子校長である。

撮影当初、若林校長はカメラに写るのを恥ずかしがっていたと話すが、「明るく 元気な 池北ファイナル」のキャッチフレーズの元、天才的なヒラメキで生徒を喜ばすイベントを思いつくたびに、下井監督に速攻で撮影を依頼したらしい。

下井監督によると先の予算の件もあり、メンタル&五十肩の悪化で血を吐くような一年(笑)であったという。

撮影当初、親子ほど年の離れた生徒との関わりが難しかったと話す下井監督であるが、作品が進むにつれ徐々に思春期の学生の心情を捉えていく。

池田北高校は大阪北摂にあり、この地域の学生は比較的大人しく礼儀正しい、しかしながら池北の学生は(劇中登場する長年に渡り池北生の送迎をしたバスの運転手の話によると)どこか昭和の香りのする無邪気でヤンチャな、現在では死語となった”バンカラ気質”が残っているとの事。

その為か監督がインタビューを行うと、ことごとく監督の意図とは明後日の答えがでてくる。それが実に面白い。

監督が文化祭で黒板に素晴らしい海の生き物を描いた女子高生に将来の夢は?芸術家とか?と聞くと「そんなに現実は甘くないよ」と逆に叱咤される始末。

思わず笑ってしまうのだが卒業間際になると彼女から思いもよらない言葉が飛びたし、 数時間前まで赤の他人だった彼女を抱きしめたくなるのだ。

他にも、部員一名という野球部で先生と2人きりで練習する生徒もいる。 彼だけでも一つの映画が出来そうだ。

また作品のエンディング曲も音楽活動をやっているという生徒自らが作詞・作曲をし歌唱。 これがまた、高校生が作った歌かよ!という程、素晴らしい曲なのだ。

監督と共にメインMCとして活躍する陸上部キャプテンの”純朴さ”も見所だ 監督と彼がコントをしているような絶妙な笑いが作品の至るところに散りばめられている。

下井監督は撮影中に言っていた、 学生はあんまり閉校とか思い入れは無いんです、むしろ先生なんです。

運動会では見たことのない競技が行われ、がらんと寂しい靴箱室の壁面をキャンバスに見立て、絵の具の入った風船を投げつける生徒にとって一生忘れられないであろうアヴァンギャルドなイベントなどは若林校長をはじめとする生徒に負けず劣らず”個性豊かな”先生が企てたもの。

”池北で過ごした永遠の時間”を生徒の心に残そうとする先生の思いに目頭が熱くなった。

下井監督から学生達へ

劇中のラストに下井監督から学生へインタビューが行われる。

「このドキュメンタリーの本当の価値は、今では無く20年後30年後に皆さんが人生に迷った時、若い頃、自分は何を考えていたのか。何がしたかったのか。思い出すためのリフレッシュツールとしてです。未来の貴方は壁にぶつかり、道が見えなくなっているかもしれません。そんな自分に応援メッセージを一言」と下井監督は生徒に問いかける。

30年後とは生徒達が下井監督の年齢になる頃だ。

その言葉は、若い頃から自主映画を作り続け、58歳にして初の長編映画を作り劇場公開をする前の下井監督自身に投げかけた言葉の様に思えた。

青春が遥か昔に終わっても夢を形にした下井監督に乾杯である。

そしてこのキラキラと輝いてる映画を1日だけでなく多くの劇場にかけて貰いたいと思うのです。

僕は下井監督にこうインタビューしたい、「こんな面白い映画なら全国で上映したいですよね?」 その時、下井監督が「そんなに現実は甘くないよ」と言っても構わない。

人は変わるのだ、その事を「池北学校やめるってよ」が教えてくれたのだから。

ちなみに、映画の制作費は結局出ず、若林校長はじめ、学校関係者が全力でカンパを募ったとの事(笑)*経営が傾いた下井監督、只今バイト探し中との事です(笑々)

最後に舞台挨拶では下井監督から今までの映像人生で紛れもなく一番しんどかったけど、もしかしたら一番楽しかった時間かも・・という言葉がありました。

作品上映等のお問い合わせ絶賛募集中です!
詳細ご連絡は下井監督まで

rinsyou777@yahoo.co.jp

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