インタビュー記事 2018.8.15

ペンギン博士が語る映画『皇帝ペンギン ただいま』の見所とは?

8月25日より全国ロードショーとなる映画『皇帝ペンギン ただいま』

今回は映画の公開を記念して、この映画の監修を務め、仏のリュック・ジャケ監督とも親交が深いという、日本一のペンギン博士・上田一生(うえだかずおき)先生にインタビューをさせて頂きました!

皇帝ペンギンは、人懐っこい?

上田先生、どうぞよろしくお願いいたします。

こちらこそよろしくお願いします。

映画を拝見して、皇帝ペンギンの夫婦の出会いから子ペンギンの旅立ちまで、まさに驚きの映像の連続でした。ところで、皇帝ペンギンって、人間を怖がったりしないんでしょうか。動物を撮影するというのはとても大変な事だと思うのですが…

そうですね、実は私は3回南極に行ったことがあるんですが、基本的に南極大陸の氷の上って直立2足歩行するのは、ペンギンしかいないんです。そこに我々人間が行くと、彼らがどう感じるかというと、「あっ、変なペンギンがいる」と(笑)

人間の事も、自分たちペンギンの一種だと思っちゃうんですね(笑)

最初に南極に行った時なんですが、300M程遠くに皇帝ペンギン達がいたんですね。それで脅かしちゃいけないって、そ〜っと静かに近づいたんです。そしたら向こうから声がかかるんです。「アッ」と。

人間でいう、挨拶みたいなものなんですか?

“コンタクトコール”っていうんですけど。「お〜い!」って呼びかけているんです。それで、こちらも「アッ」って返したら、一瞬ビクッとしたんです。そして、徐々にペンギン達が近づいてきましてね。12、13羽に同じ事をやられて、囲まれて、あるペンギンは僕の靴紐を解こうとしたりとか、またあるペンギンはカメラのストラップを引っ張って持って行こうとしたりとかして…

意外と人懐っこいんですね。

非常に好奇心が旺盛なんですね、面白いですよね。

夫婦共同で子を育てる皇帝ペンギン

また、非常に面白いなと思ったのが、まずメスは卵を産むとオスに預け、自分は海に向かってエサをとりに海へ向かってしまうという点です。皇帝ペンギンの最初の子育ては、オスが行うんですね。

そうなんです。実は現在、鳥類は1万1000種類ほど知られているんですが、そのうちの過半数は、オスとメスが共同で子育てをします。その中でも、ペンギンの場合はほぼ平等にやりますね。

そうなんですね!

皇帝ペンギンはちょっと特殊なんです。それはなぜかと言うと、皇帝ペンギンは体が大きいじゃないですか。だから、ヒナが巣立った直後に大量のエサが必要なんですね。それを得られるのは実は春だけなんです。南極には、実を言えば四季はなくて、夏と冬しかないんですが冬から夏にかけてほんの短い2〜3週間ですね。この時に南極の海にイカ等の食べ物が大量発生するんです。

なるほど、その時期を狙って子育てをしているんですね。

そう、その時期にヒナを巣立たせたいんです。そうするといつ始めなければいけないかと言うと、南極の夏から冬に変わる時に帰ってきて、そこで出会って卵を産んで、頑張って冬を乗り越えて、春先にヒナを送り出してやる。これが、皇帝ペンギンの繁殖戦略なんです。

繁殖戦略!

皇帝ペンギンの卵の重さって大体1200グラムぐらいあるんです。メスの体重が22キロ〜23キロだとすると、体重に対して非常に大きいですね。だからメスは出産した段階で、かなりヘトヘトになっています。反対にオスはまだ余裕があるんです。それで、その余裕のあるオスに卵を託して、メスはフラフラしながら、海に行くんですね。

なるほど、そうだったんですね。

でも、実はメスは大変なんです。だって、海まで片道120kmあるんですよ、メスは120キロ歩いてきて、卵を産むという大騒ぎをして、フラフラしながら、また120キロ戻るんです。

そんなに長い距離を歩くとは…

ところがもう1つ海で危険が待っていて、ヒョウアザラシとかシャチが待っていますから、ここで襲われてしまう事もあるんですね。だからメスの負担ってそんなに軽いものではないんですよ。命がけで帰ってきて、オスと交代しますね。オスは確かに三ヶ月くらい絶食して、体重も半分くらい減っちゃうは減っちゃうんですけれども、どっちがいいっていうのは一概には言えないんですよ(笑)。

オスもメスもどちらも共に大きなリスクを負っているんですね。

そうですね。もう1つ、今回の作品に描かれていましたけれども、経験の浅いオスは、体力が無くてどうしても耐えられないんですよ。途中で卵やヒナを放棄して、フラフラっと海に行っちゃう事もあるし、共倒れで自分も死んでしまう事もある。だから、皇帝ペンギン100羽いるとすると、大人のオスとメスの割合は、メスが6、オスが4です。メスの方が多いです。

南極という過酷な環境だからこそ、オスとメスがお互い協力して子育てする。しかし、その中で生き抜き、ヒナを育てて行くというのは想像以上に、過酷な事なんですね。

映画『皇帝ペンギン ただいま』の見所

最後に改めて、ペンギン博士・上田先生が思う映画の見所をお願いします!

はい、ます一つめです。非常に多彩な視点です。前作は水中撮影も浅くて、空中撮影もなかったですね。今回ドローンで撮っていて、色んな視点から多角的に撮られています。2つめは、南極の変化です。温暖化による変化です。それが映像で確かめる事が出来るという事ですね。そして3つ目は、今回は43歳という高齢母体にフォーカスしてやっています。最後の4つめは何と言っても4Kですね。非常に高精細な映像が駆使されていますので、細かい羽毛とか、くちばしのシワとか、そう言ったものが見られる。生き物や造形が好きな方にとっては、楽しめるんじゃないかなと思います。

先生のお話を伺って、もう一度映画を観たくなってきました!本日は本当にありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました!

『皇帝ペンギン ただいま』全国ロードショー

今回楽しくお話を聞かせて頂いた上田先生が監修された著書『世界一おもしろいペンギンのひみつ』が現在、全国の書店で絶賛発売されております!

こちらを読まれてから、映画を観るとより映画の内容を理解しやすいかもしれません!

映画『皇帝ペンギン ただいま』は8月25日より全国ロードショーです!みなさま、ぜひ劇場へ!!!

© BONNE PIOCHE CINEMA – PAPRIKA FILMS – 2016 – Photo : © Daisy Gilardini

■提供:ハピネット、ユナイテッド・シネマ
■配給協力:ユナイテッド・シネマ
■配給:ハピネット

公式サイト:http://penguin-tadaima.com/

■8月25日(土)全国ロードショー
・大阪:シネ・リーブル梅田、ユナイテッド・シネマ岸和田
・兵庫:シネ・リーブル神戸
・奈良:ユナイテッド・シネマ橿原
・滋賀:ユナイテッド・シネマ大津
■9月1日(土)〜 京都シネマ
■9月14日(金)〜 ユナイテッド・シネマ枚方
■9月21日(金)〜 109シネマズ大阪エキスポシティ

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