イベントレポート 2018.9.23

なら国際映画祭2018『二階堂家物語』メイキング上映とトークショーを開催!

9月20日(木)に華々しく開幕したなら国際映画祭2018。

2日目となる21日(金)に、奈良市ならまちセンターにて、「NARAtive2018」で奈良県天理市において撮影された『二階堂家物語』のメイキング作品上映と、トークショーが行われました。

“NARAtive”(ナラティブ)とは、「なら国際映画祭」が奈良を世界へ発信するべく、 期待の若手映画監督を招き、地元の人々と共に奈良を舞台にした映画制作を行うプロジェクト。

NARAtive制作権は、原則として毎回のなら国際映画祭ゴールデンSHIKA賞受賞者に授与され、今回は前回グランプリを獲ったイラン出身のアイダ・パナハンデ監督が天理市を舞台に『二階堂家物語』を制作。

跡継ぎ問題に悩む親子3世代の物語を描いた本作は、映画祭初日のオープニングセレモニーでワールドプレミアされ、当日鑑賞された方の多くがこの日も集まり、会場を埋め尽くしました。

『ペルシャからの風』上映 & 松井みさき監督登壇

まずこの日上映されたのは、『二階堂家物語』のメイキング作品となる『ペルシャからの風』。

遥かイランから遠く離れた奈良で映画を撮影するアイダ・パナハンデ監督の挑戦と、地元の方々・現場の俳優・スタッフの協力、異文化の入り交じる現場を追ったこのドキュメンタリー作品。監督の松井みさきさんが登壇し挨拶を述べました。

松井みさき監督
「撮影する1年程前に、奈良でペルシャの木棺が見つかったというニュースが流れてきたりとかもしましたけど、全然違うように見えて、実は日本とイラン、両国の繋がりは深いんです。」

また撮影時の苦労について司会から尋ねられると、

「撮影の現場でメイキングが邪魔にならないようにする為には、どんどん自分の存在感を消していくわけですけれども、でもそうやっていった状態で俳優さんやスタッフにインタビューすると、「あなた、誰ですか?」ってなっちゃうので、撮影してない時にしっかりとコミュニケーションを取らなければいけない。黒子でありながら、存在感を示すという相反するというこの事にチャレンジするのが一番難しかったです。」と語りました。

監督・出演者と観客によるトークショー

そしてその後、本編『二階堂家物語』の監督・出演者の皆さんが登壇し、トークショーが行われました。

メイキング作品のインタビューでも語られていましたが、当初イランのアイダ・パナハンデ監督はこのNARAtiveのオファーに対して消極的だったといいます。

アイダ・パナハンデ監督
「私はそれまで自国で2本映画を撮っていましたが、まだ外国で映画を作る所までは達していないのではないかと思っていました。私の前に日本で撮影をした映画監督というと、巨匠アッバス・キアロスタミ監督がいます。そういった事実もあって、私がその次に作ってしまったら、その歴史が格落ちしてしまうのではないかと不安だったんです。

また、日本で作るという事で、観客から「あれは外国人が作った映画だ、外国作品だ」という風に見て欲しくなかったんです。もし作るなら、私はあくまでも本物の日本映画を作りたかった。

実は小さい頃から私にとって、日本はイランの次、2番目に好きな国でした。2015年にカンヌに行った時に、多くのメディアの方に「どんな映画が好きですか?」と聞かれましたが、私は「日本の映画が好きです。」と答えていました。皆、びっくりしていましたが。そしてその後、まさか日本で映画を撮る事になるなんて…本当に衝撃的な出来事だったんです。そして最終的には共同脚本家である夫や周りの人に励まされ、メールでやりますと返事しましたが、昨日、ワールドプレミアの後に、皆さんが日本映画だったね、という感想を多数頂きました。これは本当に光栄な事で、やって良かったなあと、今心から思いますね。」

イランの監督が日本の俳優さんやスタッフと共に作り上げたこの作品。会場からは、文化の壁や言葉の壁についての質問も上がりました。

アイダ・パナハンデ監督
「私は歴史家ではありませんが、日本とイラン、2つの国の文化が凄く違うという風には思いません。まずは、違うという所ではなく、似ている所を見るようにしました。今はインターネットやソーシャルメディアを通じて世界は繋がっていますが、昔からシルクロードによってイランと日本は繋がっていたんです。また、この映画を作るにあたって、役者さん達とも深く話し合い、作品への理解を深めました。特に主演の加藤さんとは、撮影の前の脚本を詰めている段階はもちろん、撮影中にも毎晩のようにディスカッションを行ったんです。」

加藤雅也さん(主演)
「自分の主張だけを言っていても、お互いに理解はできない。お互いを理解をするって事は、相手の言っている事がわからなくても、最終的には相手の事を受け入れるしか方法がないのかもしれません。監督と僕ら役者はいい映画を作ろうという想いは一致している。だから、そういう意味で監督を受け入れて、監督が何を言おうとしているか考えようと常に心がけました。

この作品の脚本は最初にペルシャ語で書かれ、それを英語に翻訳し、さらにそこから日本語に翻訳されています。撮影時に起こる問題の根本の多くは、僕らがこの日本語の台詞を読んで、その印象を受けてしまった事から来る事が多かったように思います。しかし書かれている言葉というのはたまたまその人が選択した言葉であって、言葉よりも別の意味があるのではないか?と想像していく事で、監督の想いを徐々に理解していく事ができました。

また、例えばメイキングでもあった、お内裏様とお雛様を向かい合わせて並べたいと監督が主張するシーン。あのシーンは、確かに私たちは向かい合わせにするのは伝統的におかしいと思いましたけれども、もしかしたらあれはお内裏様とお雛様が向かい合って話をした後に、ほな写真でも撮ろうかと前を向いた所が僕らの伝統として残っているかもしれませんよね笑。そういう風に考える事で、これもありやなと。そうやって相手の考えを受け入れる思考方法を探る事が、国際交流の第一歩かもしれません。」

映画『二階堂物語』は、来年1月25日より全国ロードショー。

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