イベントレポート 2018.9.24

「樹木希林さんは、永遠であり続ける。」なら国際映画祭2018にて樹木希林さん最後の主演作『あん』の特別追悼上映を開催

なら国際映画祭2018の最終日、奈良市ならまちセンターにおいて、15日に亡くなった樹木希林さんの最後の主演作『あん』の特別追悼上映が行われました。

前日に急遽決定したイベントに関わらず、会場は超満員。多くの観客がスクリーン上の希林さんを目にし、涙を流しました。

上映後に、割れんばかりの拍手が沸き起こると、監督の河瀨直美さんと俳優の永瀬正敏さんが込み上げる感情を抑えきれず、涙を流しながら壇上に姿を表しました。

『あん』制作時の樹木希林さんに関する様々な思い出を振り返った河瀨監督と永瀬さん。

『あん』の中で最も印象的な場面の一つが、樹木希林さん演じる徳江さんが、ハンセン病だという噂が広がってしまって、お店を去らなければいけなくなるシーン。このシーンについて…

河瀨直美監督
「はじめテイク1は、さらっと去っていく形で撮ったんですが、何か自分の中で違うなあと思ったんです。台本上は、実はこのシーンの後に川沿いを歩くシーンがありました。だから希林さんは、それを考えられていたのかなあと。でも、希林さんに「徳江さんがこの瞬間、まさに最後にお店を去るという気持ちで、もう一度やらせてください」とお願いしました。

そしてあのショット、あれは本当に見事だなあと思いました。何かと言うと、エプロンを畳む所作を物凄く丁寧にされたんです。いつもだったらがさっと片付けて、それじゃあ明日ってなる。でももう2度とこのエプロンを着ることはない。だから徳江(希林)さんは、物凄く丁寧に愛おしく畳むんです。そして、「じゃあ」と言って深々とお辞儀をして、お店を去る。この時、本来なら撮影カット的には必要なかったんですが、永瀬さんにもカメラの横に立ってもらっていました。徳江(希林)さんの姿を見てもらいたかったから。」

永瀬正敏さん
「あの時、確か役者30周年の記念の歳だったんですけど、「俺はまだまだですね。」って河瀨監督に告げました。あれは本当に凄かったですね。」

そして、クライマックスの木の側で徳江が佇み、フッと微笑むショット。このシーンについて…

河瀨直美監督
「あの希林さんが、木の側で微笑むショット。あのショットは希林さんが亡くなった時に、まさに私が心の中でイメージしていた希林さんの姿です。徳栄さんというか、希林さんは永遠であり続ける、私はそう悟りました。」

永瀬正敏さん
「希林さんには現場にいた時から、色々と僕のプライベードを含めて気にかけてくださっていました。この映画が完成して、希林さんと試写をした時に、僕は感極まって希林さんを抱きしめてしまったんです。その時に耳元で「幸せになってね。」と言ってくださいました。その言葉が僕の中にずっとあって… 頑張ります、希林さん。本当にありがとうございました。」

トーク終了後、河瀨監督と永瀬さんは天を仰ぎながら希林さんに拍手を送り、会場は感動と温かい拍手で包まれました。

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