インタビュー記事 2019.4.4

「LLP」で地域での本格的な映画づくりに挑戦!『かぞくわり』塩崎祥平監督インタビュー

皆さん、『かぞくわり』という映画をご存知だろうか?

大阪では、4月5日(金)〜シネマート心斎橋4月13日(土)〜シネ・ヌーヴォXで公開されるこちらの映画。

はじめに奈良県出身の監督が奈良で撮った映画と聞いて、小さい規模で作られたご当地映画的なものなのかな?と想像していたのだが、実際に観てみると…

エッ、小日向さん出てんの?

竹下景子さんに、同じく奈良で撮られた映画『二階堂家物語』の陽月華さんもいる!

なんなんだ、この映画!美術も一切妥協がない!!しかもハートフルな家族映画と思いきや、ファンタジー要素満載で、ラストはスーパーパンクな展開に!!!

一体どこの会社が作っているんだろうと思って、チラシを見てみると「かぞくわりLLP」って書いてある!?

「LLP」ってなんなんだ!?

ってな事で、気になる事ばかりの映画だったので、塩崎監督ご本人にインタビューさせて頂きました!

LLPって何?〜製作委員会方式との違い〜

『かぞくわり』拝見させて頂きました。いや〜まさにガチンコな映画でしたね。実は僕、こういう映画があるという事は以前から知っていたんですが、失礼ながらここまでリアルガチな映画だとは正直思っていませんでした。

リアルガチ…(笑)。

実は普段通っている知り合いの散髪屋さんが奈良県の桜井市にあるのですが、その美容師さんからよく聞いていたんです。「最近お客さんとの間で話題になる映画が2本ある。それは『フォルトゥナの瞳』(※東宝製作、橿原市を中心とした奈良県内各所で撮影が行われた。)と『かぞくわり』だと。

なるほど(笑)。

桜井の方々はこの2本の映画を並べて同じように語っているそうなのですが、一方は東宝という大きな映画会社が巨額な予算を投じて作った商業映画、もう一方は地元の監督と地域の方々が集まって協力して作り上げたインディペンデント映画、両極端な過程を経て作り上げられてきたのに対して、結果としてほぼ同じ規模感・クオリティの映画が出来上がっている(笑)。これは、とてつもなく凄い事だと思ったんです。

おお… そこまで言って頂いて、ありがとうございます(笑)。

同時にこれだけの規模の映画を地域で作られる事のご苦労を想像すると、涙が出てきそうになりました(涙)。映画を作るのって、色んな大変な事があると思うのですが、やはり一番大きな壁として「お金」の問題がありますよね。

そうですね。

今回『かぞくわり』では、LLP(有限責任事業組合)というものを作られて、お金を集めて映画を製作されたという事ですが、このLLPって一体どんなものなのでしょうか?よく聞く「製作委員会」と何が違うのでしょうか???

わかりやすく言えば、「製作委員会」方式は、映画を生業としている会社や、テレビ局で、広告代理店であったり、映画の事業をするにあたって得意分野が活かせる会社で構成されている。その中では利益や権利も分散される訳ですね。

ふむふむ。

このやり方だと、例えば家具の会社であったり、映画業界外の全く関係ない会社が入りたいと言っても、基本は入れない訳です。また無限責任でリスクも大きく、個人で入りたいと思っても、入れない。

そうなんですね!

しかし、これをLLPという組合方式にすると、どんな企業であっても、たとえ個人であっても、誰でもそこに参加出来るんですよ。

マジすか!変な話、僕が個人で出資して、入りたいと思ってもいける訳ですね。

そうなんです。この『かぞくわり』の場合で言えば、歴史学者の方に入って頂いたり、お寺の住職さんであったり、神社の宮司や画家さん…色々な方々に加わって頂き、それぞれ得意分野を発揮して頂きながら、映画に協力して頂きました。

映画製作に関わってみたいと思う人は多いでしょうし、このLLPという形の方が地域の方々の協力を得やすいという事なんですね。

そうなんです。そして海外では、このLLP方式で作られている映画の方が圧倒的に多いんですよ。色んな分野の人がそこに出資出来るから。なので、この製作委員会というやり方自体が実は日本独特のもので、物凄くレアなんです。

なんと!そうだったんですね!全く知らなかった…

街の主婦が敏腕プロデューサーに!〜LLP方式の醍醐味〜

このLLP方式にすると、ごく普通の地域の方々が映画製作に関わりやすい。この隣に座っている馬場さんも実は主婦なんです(笑)。

どうも、馬場と申します。主婦です(笑)。

えっ、物凄く敏腕プロデューサー感というか、業界人っぽいオーラが横からプンプンしてましたが、実は主婦の方だったんですね(笑)!

監督の一言で、私のプロデューサー的なイメージが完全に崩れてしまいましたね(笑)。

名刺に「ラインプロデューサー」という肩書きが書かれていて、ずっと黙ってはったので、私もてっきりこの人が一番映画を仕切っている人で、怖い人なんやろうなと思っていましたよ(笑)。

ですよね、ずっとメモを取っていらっしゃったので、監督の失言が無いか常にチェックされているのかと思って、めちゃめちゃビクビクしてました。いつもより真面目にインタビューしなきゃって思っていました(笑)。

インタビューは、真面目にしてください(笑)。

ところで馬場さんは、以前からこういった映画製作に対してご興味があったんですか?

そうですね。実はこれまでも色々な活動はしていて、塩崎監督の前作『茜色の約束 サンバ do 金魚』にも関わらせて頂いて、地域とのパイプを活かし、エキストラの手配等をさせて頂いていたんですよ。

なるほど、それで今回は、監督からラインプロデューサーに抜擢されたと。

まんまと監督に騙されたわけですね(笑)。大変ですよ、ラインプロデューサーって。どの映画の現場に行ったって、物凄く大変です。役者さんの事務所サイドとのやり取りも全部任されるわけだから。

そうなんです(涙)。歳を取っているから「知らない」って言えないじゃないですか。知ったかぶりをしながら、物事を進めないといけないわけです。そりゃもう、事務所の方から電話かかってくる度に、なんの話だろうって怯えてましたよ(笑)。もうはじめは皆さんにご迷惑おかけして、謝ってばかりでしたね。

でも、結果的にはどこの事務所の方からも信頼されるようになって、非常に現場を円滑に進めて頂いたんです。

素晴らしいです。この映画製作を通じて、真の敏腕プロデューサーに成長されたと。

そうなんです。これもLLP方式の醍醐味というか、地域で映画を作るには、このやり方は一番可能性があるんだと思うんですよね。

ハートフルな映画かと思いきや…?

すっかりLLPの話ばかりになってしまって、すみません。そろそろ映画本編の話に触れましょうか(笑)。

ありがとうございます(笑)。

内容的に、はじめ観る前はハートフルな雰囲気で最後まで行く映画かと思ってたんですが、良い意味で騙されましたね(笑)。

スーパーパンクな映画ですよ(笑)。

スーパーパンク(笑)。

序盤、男の人の骨が出てきたあたりから、「エッ、どうなんの、この映画?」ってなって、完全に引き込まれていきました。でも、地域で協賛してくださった方の反応とかは大丈夫だったのでしょうか?「思ってたのと、ちゃうやんけ!」って怒り出す人とかいらっしゃらなかったですか?そっちの方が心配になってしまいました(笑)。

いや、そういう感じではなかったですね。やはりほんわかに終わっていく映画だと思われていた方が多いので、試写会の時も「良い意味で期待を裏切られた!」と楽しんでくれた方々は多かったですね。

それは良かったです!地域の方々も次回作、期待されているでしょうね!敏腕プロデューサーの馬場さんと共にこれからも頑張ってください!!本日は本当にありがとうございました!!!

ありがとうございました!

インタビューを終えて…

LLPという地域での新しい映画づくりの可能性を示した『かぞくわり』

東京でブランディングされものだけでなく、これからもこの作品のように、地域の方々が主体となった本格的な映画、面白い映画が各地から続々と誕生してくる事を願いたいですね!

さてこの『かぞくわり』、大阪では4月5日〜シネマート心斎橋4月13日〜シネ・ヌーヴォXで公開です

皆さま、劇場へぜひ足をお運びくださいませ!

『かぞくわり』公式HP

©かぞくわりLLP

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